築地場外市場に行ってみた(2019年元旦)

2020年1月2日

市場が築地から豊洲に移転したことで,取り残された場外市場のことが気になり
2019年1月1日に行ってきた。
市場が移転に迫られた理由と共に場外市場の今をレポートする。

なお,2020年1月1日に豊洲市場に行った残念なレポートは以下より閲覧が可能です。

⇒⇒⇒豊洲市場に行ってみた(2020年元旦)

そもそも,なぜ市場は築地から豊洲に移転したのか

築地市場は1935年(昭和10年)に開場。
その時は鉄道による搬入を前提とした構造だった。

1970年代以降から「時代による取引量の増大」や「トラック輸送への転換」により
次第に手狭になり,移転もしくは,移転せず改修する措置が求められるようになった。

移転しない前提の改修の方が費用・工期がかかると判明し,豊洲移転という選択をとった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AF%89%E5%9C%B0%E5%B8%82%E5%A0%B4%E7%A7%BB%E8%BB%A2%E5%95%8F%E9%A1%8C

そもそも築地市場とは

東京都内に11か所ある東京都中央卸売市場の一つ。
その規模は日本・世界最大であり代表的な卸売市場であった。

築地市場で取り扱っていた品目は水産物(取扱量は日本最大)のほか,
青果(野菜・果物、東京では大田市場に次ぐ第二位),
鳥卵(鶏肉および鶏卵),漬物、各種加工品(豆腐・もやし・冷凍食品等)だった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AF%89%E5%9C%B0%E5%B8%82%E5%A0%B4

市場移転が与えた築地場外市場に与えた影響を考察

築地市場から豊洲市場までは,直線距離で2.6km程度しか離れていないので
その運搬時間が魚介類に与える影響もなく,周囲の小売りや飲食の美味しさに影響は無いと言える。

そもそも,寿司ネタは,新鮮であれば良いという話ではなく,
握る時に相応しいタイミングで握るのが基本とのこと。

なので,築地市場にある寿司屋より豊洲市場の寿司屋の方が新鮮で旨いとか,
そういう議論にはならない。(築地に市場があった時に,銀座の寿司より築地場外市場の寿司が一番うまいという話も出なかったように)

ただ,市場から遠くなったという,そのイメージにより場外市場の存続が危ぶまれている。「魚は新鮮であれば新鮮であるほど美味しいに決まっている」という消費者心理も起因しているのではないかと私は思っている。

2019年元旦に築地の場外市場に行ってきた感想

実際に訪れてみたところ,元旦であるにかかわらず,人気店がある通り周囲には沢山の人々が集まっており活気があった。

 

訪れる人々の6割以上が外人観光客であり,マグロ解体ショーを興味深そうに見学する人や様々な海鮮をご飯の上に乗せ,美味しそうに海鮮丼を食する人,
細い路地が迷路のように入り組んだ古き良き町並みをカメラで撮影する人など様々で
東京の名観光スポットとして確立されているのが良くわかった。

ただ,元旦で店自体が閉まっているためなのか,それとも豊洲移転による影響なのか分からないが,外れの通りでは,閑散としているところが所々見受けられた。

 

以下の写真は,閉鎖された築地市場であり,立ち入り禁止の注意書きが幾重にも施されている。

 

場外市場に未来はあるのか?

仕入れ先が豊洲に移動したとしても,扱う魚介類の鮮度の問題としては問題ないが,
ただ,市場から遠くなったという事実によって場外市場の存続が危ぶまれていることは前述の通りである。

豊洲市場の周りに「場外マルシェ」「千客万来施設」が設置予定となることで,
飲食や物販店がその中に入ることになり,それが場外市場の競合となるのは明白な事実である。

今現在,場外市場はまだ活気があるが,その競合コンテンツが充実していけば,
観光客がそちらに流れる可能性が高い。

築地場外を守るために「食のテーマパーク構想」を小池知事が打ち出しているが,
その中身についてはベールに包まれたままである。

筆者としては,豊洲周りの競合と共存してほしいというのが望みであるが,
今の場外市場のままでは,徐々に客を取られていくと思われる。

今の強みである古き町並みを生かしつつ,競合との差別化を図らないことには,未来が開けないように思う。

 

雑記

Posted by Gin