ランプ電圧(Ramp voltage)とは?意味と用途を解説
記事の目的
Ramp voltage(ランプ電圧)の意味及び波形を示すと共に併せて用途を紹介する。
そもそもRamp(ランプ)とは
Ramp(ランプ)という言葉は高さの異なる二つをつなぐ傾斜路という意味がある。
以下にWeblio殿よりRampの引用を示す。
(高さの異なる二つの道路・建物の階などをつなぐ)斜道、傾斜路、(立体交差路などの)ランプ、(飛行機の乗り降りに用いる)移動式階段、タラップ、ランプ、スピード防止帯、(法外な値段を要求するような)詐欺
(引用URL: https://ejje.weblio.jp/content/ramp)
ランプ電圧(Ramp voltage)とは
時間に対して線形(一次関数的)に増加/減少させた電圧のことを意味している。グラフで表すと横軸を時間t[sec],縦軸を電圧V[V]としたときに一次関数の波形となる。海外ではVolage rampと呼ばれているケースもあり,こちらの方がポピュラーな単語のように見受けられる。
また,制御用語として"ランプ関数(Ramp function)"があり,この関数に倣った電圧の波形がランプ電圧となる。
Ramp voltageの使用用途について
シンセサイザーでの使用
Ramp voltageの代表的な波形としてはノコギリ波や三角波が有名である。
音楽をやる人はご存じだろうが,シンセサイザーのオシレータ(音源ソース)の原型としてノコギリ波や三角波が使用されている。(その他,正弦波,矩形波などがある。)
ノコギリ波
三角波
以下のリンクよりそれぞれの音が視聴できるので,興味のある方は確認されては如何だろうか?
https://www.youtube.com/watch?v=5zR_5yZJYwM&t=464s
・ノコギリ波:7:31~32
・三角波:9:11~12
PWM制御の三角波比較方式におけるキャリア信号での使用
モータ制御などで目にするPWM(Pulse width modulation)制御で用いられる三角波比較方式にてキャリア信号として三角波を使用している。所要波形信号とこの三角波とをコンパレータで比較した結果をSwitching deviceに入力し,対象を制御している。
モーターのソフトスタートでの使用
モーターの始動方式にソフトスタートというものがあるが,これもRamp voltageを使用している。
工業分野ではモーターにカゴ型誘導機が幅広く使用されており,これに三相交流電源をモーターに直接印加する方式としてDOL(Direct On Line)があるが,この方式は始動時に電流が多く流れ,またモータが急加速となることから電気的・機械的に負担を与えることになる。
そこで,ソフトスタートを採用し始動時の初期電圧を低く抑え,徐々に全電圧に近づけることで,始動時の電流を抑えることで電気的・機械的な負担を低くすることができる。
以下の図がソフトスタート採用時におけるモーターに対する印加電圧波形であり,初期電圧から全電圧に至るまでがRamp Voltage(ランプ電圧)となる。
まとめ
Ramp voltage(ランプ電圧)の意味及び波形を示すと共に併せて用途を紹介した。
参考文献
三菱電機殿_傾斜信号について
http://fa-faq.mitsubishielectric.co.jp/faq/show/14530?site_domain=default
Gozuk様_Soft starter working stage
http://www.softstarter.org/soft-starter-working-stage-714942.html
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません