【誘導機原理】家で簡単に実験できるアラゴ―の円盤/円板
記事の目的
誘導機の原理で知られているアラゴ―の円盤の動作原理について纏める。また,自宅で手軽に実験することが出来るので紹介する。
アラゴ―の円盤の動作原理について1
モーターメーカーの日本電産様のサイトでは,アラゴ―の円盤の動作原理についてこのような説明があります。
アラゴの円盤の原理は、銅やアルミでできた円板を磁石で挟んで、磁石を動かすと、円板に渦電流が発生し、この渦電流によって、円板には磁石の移動方向に動こうとする力が発生するというものです。
ここで注意しなくてはならないのは,銅やアルミは非磁性体の金属であり,鉄やニッケルなどの強磁性体とは異なる金属であることに気を付ける必要がある。一般的な磁石を近づけると強磁性体はくっつき,非磁性体はくっつかない性質がある。(但し,ネオジム磁石のように超強力な物はアルミをもくっつけてしまう)
つまり,アラゴの円盤が回転する理由は磁石によって,金属がひきつけられて回っているわけではないのである。
次の項で原理について具体的に解説する。
アラゴ―の円盤の動作原理について2
アルミ板の直上に円柱の磁石が位置している状況があるとし,これを用いてアラゴ―の円盤の動作原理について順を追って説明する。
① 磁石を左から右に移動させる。磁石はN極が下,S極が上である。
② N極から磁界が出ており,電磁誘導の法則により 右側は磁界が増えるのを妨げる向き,つまり上方向に磁界が発生する。また,左側は磁界が減るのを妨げる向き,つまり下方向に磁界が発生する。
③ ②項の電磁誘導により磁石の右側にあるアルミ板では右ネジの法則にしたがい,反時計周りに渦電流が発生する。また,磁石の左側にあるアルミ板では,同様に時計回りに渦電流が発生する。
※①~③を絵で表すと以下の通りである。
④ ③項にてアルミ板に発生した渦電流は,下方向に電流が発生する。 (磁石の進行方向に対し右方向)
⑤ アルミ板には磁石による磁界と渦電流による電流が発生している状況となるため,フレミング左手の法則(中指:電流,人差し指:磁界,親指:力)により アルミ板が磁石の進行方向と同じ方向に力が発生する。
※④,⑤を絵で表すと以下の通りである。
家でアラゴ―の円盤を実験するには
家の中にあるものでアラゴ―の円盤の実験を行うことが出来る。
・ 皿
・ 水
・ アルミホイルの断片
・ 冷蔵庫とかに貼り付ける普通の磁石
・ クリアファイル
皿に水を張りその上にアルミホイルの断片を浮かべる。
そしてクリアファイルを上に被せて,アルミホイルの直上で磁石で円を描くと,アルミホイルも磁石の動きに合わせて動くのである。
実験動画を確認いただくと,磁石を時計回り→反時計回り→時計回りの通り回す。アルミホイルの断片がそれに追従するように回転していることが分かる。
参考文献
日本電産株式会社_アラゴの円板によるモータ
https://www.nidec.com/ja-JP/technology/motor/basic/00028/
NIC ファルファマガジン.com様_【今月のまめ知識 第48回】磁性について
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