【M3?M4?M5?】ノギスでネジ/ボルトのサイズを測定
記事の目的
「このネジのサイズはいくつだろう?」と疑問に思うことがある。
ある程度製造現場でモノ作りに携わっている人は,見ただけで「それはM5だろ。」と即答できるだろう。
だが,筆者にはそのようなアナログな感覚が備わっておらず,ネジの寸法を計測して,
そのサイズを特定するしかないのだが,どこを測ればよいのかが不明であった。
本記事では,実際に幅広く使用されているメートルネジの寸法を計測し,その結果を元にネジサイズを導き出すまでの手順を纏める。
この手順に沿えば,日本に転がっている大体のネジサイズが分かるはずである。
メートルネジの表記について
メートルネジは以下の通り表記される。
M5 x 20mm, 並目
① ② ③
①:ネジ部の径,値が大きければ太くなり,小さくなれば細くなる。
頭の「M」はネジの種類"メートルネジ"を示す。
②:ネジの長さ。一般的には頭部下から先端までの長さを示す。
値が大きければ長くなり,小さくなれば短くなる。
なお,小皿(コザラ)ネジでは,頭部を含めた頭部上から先端までの長さを示す。
③:ネジ山同士の間隔(ピッチ)に対する呼び名。
ピッチが標準なものは「並目(なみめ)」と呼ばれ,ピッチが狭いものは「細目(ほそめ)」と呼ばれる。
なお,①ネジ部の径については,下表(JIS B 0101抜粋)に各寸法が記載されている。
実際にネジ寸法を計測し,サイズを特定してみる
このネジのサイズを実際に計測してみる。
(100均ショップで購入したM4/M5のボルトセットから無作為に取り出したものである。)
有効径d2を計測する
有効径d2とはネジ山~ネジ山までの距離である。ノギスと定規それぞれの道具で計測した。
ノギスで測定
ネジ山から山までを計測した結果4.8mmだった。
なお,使用しているものはJIS規格品ではなく,格安デジタルノギスである。
(写真の通りノギスの奥側で計測することでネジ部の一番太い個所を計測している。)
定規で測定
ノギスのように小数点以下は計測できないが,5mmはない有効径であることが分かる。
長さとピッチ数からピッチ間隔を求める
ピッチ間隔を直接計測することが出来るピッチゲージがあれば良いが
手元にない場合はネジ頭部下から先端までの長さを計測し,ピッチ数を数えることで
ピッチ間隔を求めた。
ネジ頭部下から先端まで定規で約30mmだった。
また,ピッチ数は37pcsだった。
よって,ピッチ間隔は30÷37=0.81mmである。
ネジのサイズを特定する
下記データとネジ寸法表から計測対象は『M5 x 30mm,並目ネジ』であることが分かる。
有効径d2: 4.8mm (5mmは無い)… 計測結果より4.48mmが一番近い
ピッチ間隔:0.81mm … 計測結果より0.8mmが一番近く,並目であることが分かる。
ネジ長さ:30mm
参考文献
Wikipedia ねじ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AD%E3%81%98
株式会社タカヤマ様_メートル並目・細目ネジ基準寸法表
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