【電験三種】直流電動機の良問を紹介_2021年7月新電気 電験三種予想問題 機械問1
目的
直流機に対する理解を確認するための良問
新電気 電験三種予想問題 科目:機械 問1端子電圧220V,定格電流85A,回転速度1500min-1,電機子回路の抵抗0.1Ω,界磁回路の抵抗44Ωで運転中の直流分巻電動機がある。端子電圧は一定,界磁電流が変わらないまま負荷トルクが50N・mに減少したときの回転速度の値[min-1]を解答せよ。但し,上記以外の定数は無視するものとする。
解く上で必要な知識
実際に問題を解いてみる
3. 回路図より界磁回路には界磁電流If=5[A]が流れる。電機子回路には電機子電流Ia=80[A]が流れる。
4. 電機子電流によって,電機子回路の抵抗Raの両端には8[V]の電圧降下が生じる。逆起電力212[V]が生じる。
5. 逆起電力212[V]及び電機子電流80[A]の積によって,直流電動機の出力16960[W]が得られる。
6. 電動機出力P[W]は,電動機の回転速度N[rps or Hz]とトルクT[N・m]よりP=2πTNの公式より求められるので,トルクTは108[N・m]として算出される。
P=2πTNの公式の導出方法は以下の記事で紹介しております。興味を持たれた方はご参照ください。
7. 端子電圧は一定(220[V]),界磁電流が変わらないまま負荷トルクが50[N・m]に減少したときの状況を考える。電機子電流とトルクは比例関係であることから,電機子電流Ia=80[A]の際にトルクT=108[N・m]が発生するので,トルクT=50[N・m]では電機子電流Ia=37[A]が流れる。
8. 電機子電流Ia=37[A]が流れると,電機子回路の抵抗Raの両端には3.7[V]の電圧降下が生じる。また,逆起電力として216.3[V]が生じる。
9. 電機子に生じる逆起電力と電動機の回転速度は比例関係であり,逆起電力212[V]の際に回転速度が1500[rpm]だから,逆起電力216.3[V]の時は回転速度1530[min-1]が得られる。
また,電機子に生じる逆起電力と電動機の回転速度は比例関係であることを知らなくとも,逆起電力216.3[V]及び電機子電流37[A]の積によって,直流電動機の出力8003.1[W]が得られる。
電動機出力P[W]は,電動機の回転速度N[rps or Hz]とトルクT[N・m]よりP=2πTNの公式より求められるので,回転速度N[Hz]は25.474[rps]として算出される。よって,この方法でも回転速度1530[min-1]が求められる。
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