【機械保全技能士2級】実技試験に向けた初めての練習

目的

機械保全技能士2級の実技試験では,配線作業による回路作成及びPLCでのラダー構築を行うことで,問題に示されるタイムチャートを再現する必要がある。

この記事では基本的なタイムチャートに沿って,配線作業とPLCでのラダー構築を行い,動作確認した様子を示す。

これから実技試験に向けた初めての練習を行う人の参考になれば幸いである。

機器構成

実技試験の練習を行う上で,必要な機器は以下の通りである。

・試験盤

こちらの盤の作成方法は別記事にて紹介している
⇒⇒⇒【リレー回路を触って学習】機械保全技能士(電気系)の検定盤を自作する

・リレー(CHNT JZX-22F(D)/4Z) … 1入力4接点出力タイプ

・PLC (三菱電機 FX3S-10MR/ES) … 6入力4出力 (入力形式 DC24V(シンク/ソース),出力形式 リレー)

基本的なタイムチャートを実現する問題

SW1のONによって出力Y1を点灯し,スイッチSW2のONにより出力Y1が消灯,出力Y2が点灯する回路を作成せよ。

ソフトウェア(ラダー図)の作成

PCにインストールされたGX works2にて以下のラダー図をPLCにインストールする。なお,詳細なインストール手順は別の機会で紹介したいと思う。

入力回路の配線

最初に入力回路のみを配線する。

使用するPLC(三菱電機 FX3S-10MR/ES)は,入力形式をシンク/ソースのいずれかを端子間の配線で選択することができる。ここでは日本で多く見られるシンク入力[-コモン]を端子台”S/S”と"24V"間を配線することで設定し,DC入力信号が入力(X)端子から電流が流れ出す入力とする。

試験盤に設置されるSW1及びSW2とPLCの端子台(X1, X2)を下図の通り配線する。(青線は実配線を示し,赤線はソフトウェアによる回路を示す)

入力回路の動作検証

SW1の押下により,PLCのInput1 lampがSW1押下の間だけ点灯し,Output1 lampが自己保持で点灯する。また,SW2の押下により,PLCのInput2 lampがSW2押下の間だけ点灯し,Output1 lampが消灯,OUtput lamp2が自己保持で点灯する。

また,SW1とSW2の同時押下ではSW2の入力が優先されることが確認でき,ラダー図通りの動作であることが分かる。

出力回路

次にPLCからの出力によりLampを点灯/消灯する回路を作成する。機械保全技能士の試験問題では以下の制限があり,PLCとLampの配線の間にはリレーを挟むように指示されている。

・PLC からの出力は、試験用盤上のリレーを介すること
・PLC からの電源を利用してリレーを駆動させないこと

SW1(X1), SW2(X2)の押下で出力Y1,Y2がON/OFFされ,リレーのソレノイドに対してDC24Vが励磁/無励磁されるよう,下図の通りPLCの端子台,リレーの端子台及びLampを配線する。(青線は実配線を示し,赤線はソフトウェアによる回路を示す)

動作検証

入力回路と出力回路が構築され,全体の動作検証を行い,タイムチャート通りの動作が得られることが確認できた。

参考文献

(技能検定1・2級)電気実技の速攻法 (機械保全・電気系) 機械保全研究委員会 編集

FX3シリーズ マイクロシーケンサ ユーザーズマニュアル ハードウェア編

機械保全技能士検定