【リレー回路を触って学習】機械保全技能士(電気系)の検定盤を自作する

2021年12月31日

目的

この記事では,国家資格である機械保全技能士 電気系の実技試験で使用する検定盤の自作方法を紹介する。

実技試験で使用する正規の検定盤は価格が高くて購入することを躊躇われる方,リレー回路や物の機器の取り付け方を楽しく学びたい方は,この記事にを元に検定盤の自作に取り組んでいただければと思う。

なお,自作した検定盤を活用して機械保全技能士の実技の練習を始めるにあたり,初めての練習について紹介をした記事を以下に紹介しているので興味のある方は参照頂ければと思う。

⇒⇒⇒【機械保全技能士2級】実技試験に向けた初めての練習

また,実技課題で提示されるタイムチャート図は,ステッププログラムといくつかの動作パターンの組み合わせで再現可能である。以下の記事では,いくつかの基本動作パターンについて,その動作とラダー図を紹介しているので興味のある方は参照頂ければと思う。

⇒⇒⇒【機械保全技能検定2級(電気系)】課題1 PLCラダー図の基本パターンについて

準備する部材

以下が検定盤を作成する上で筆者が購入した部材である。

表中に黄色で塗った下記部品が自作する上での要となる部材なので十分に気を付けたい。

木製基板(内外電機 W4540)
モノタロウより購入可能
縦370mm x 横320mm x 厚さ12mm程度あれば必要部材を取り付けることが可能である。
(押し釦スイッチは後述の通り基板の厚みがあるので,座ぐりを入れるか両面テープで取り付けることになる)
リレーソケットuxcell PYF14A 14 Pin 35mm Black Relay Socket及びH3Y-4 DC24V Delay Timer Time Relay 30Seconds 24VDC 14ピン,DC24V,4c,30sec

リレー JZX-22F(D)/24DC-4Z6
モノタロウより購入可能

押し釦 オムロン(OMRON) A2A-4□ 超小形押ボタンスイッチA2Aシリーズ

モノタロウより購入可能

余談だが筆者は誤って単極単投のオルタネイト押し釦を一度購入してしまっている。間違えずに下記に示すようなc接点双投型を購入する必要があるので本当に注意して欲しい。

使用する工具

検定盤を作成する上で筆者が使用した工具は以下の通りである。

作成手順

1.部材を木製基板上に並べ配置を決定する。ケーブル穴が設けられるよう部材間にスペースを持っておくことが大事である。

2.部材の取り付け穴の箇所をマーキングし、インパクトドライバのドリルビットにて貫通穴を設ける。端子台,ブレーカー,検定盤の脚(六角スペーサ)はM3ネジで設けた貫通穴に固定し、Din railはM4ネジで設けた貫通穴に固定する。

3.盤面の表と裏に渡すケーブル穴を設ける。AC100Vの電源ケーブル及びDC24Vユニットに接続する電源ケーブルを通す穴は大きめに設けておくのが良い。

4.表示灯及び押し釦はドリルビットで貫通穴を設けたあと、ステップドリルにて取り付け穴を拡張する。


※上記写真を撮影した後,誤って単極単投のオルタネイト押し釦を購入したことに気づいた。

5.改めて購入し直した押し釦(A2A-4)を取り付ける。固定方法はナットで基板を挟み込むものだったが,基板に厚みがあるためその方法を選択することは出来なかった。

そこで,押し釦の基板設置面に強力両面テープを取り付けることで固定することにした。

6.検定盤の脚として六角スペーサを設置する

7.DIN RAILにソケットを取り付ける。ソケットは下部のオレンジ色の留め具をした方向に押し下げつつ、嵌めることで安易に取り付けられる。

8.下図の通り配線を行う。

9. 検定盤にリレー1pc, タイマーリレー1pcを設置し,黒スイッチを一定時間押し続けることで赤色ランプが点灯し,スイッチから手を離すことで即時ランプが消灯する回路を作成した。
(リレーは設置しただけであり,回路には使用しない)

(表面)

(裏面)

動作確認

以下がその動作を撮影したものである。