【体験談】4か月の学習で電験三種保有者がエネルギー管理士試験に合格するには
記事の目的
電験三種を保有する筆者が4か月の勉強を経てエネルギー管理士試験に合格したので,勉強方法の進め方と対策を示す。
エネルギー管理士試験の短期合格を目指している方々の参考になれば幸いである。
受験の動機について
電験三種に合格した後,危険物険物取扱者の学習を進めていたのだが,電験三種で学習した内容が時間と共に頭から抜けていくことに勿体なさを感じた。よって,学習を継続するための動機付けとして,エネルギー管理士を受験することに決めた。
エネルギー管理士の出題範囲は電験三種と二種の中間に位置すると言われており,電験三種よりも高度な内容が問われるという面はあるものの,電験三種よりも合格しやすいと言う意見があったことから,これまで学習した分野のおさらいと新規分野の知識習得の両方を意欲的に行えると思ったからである。
使用した教材と勉強スケジュールについて
受験を決めたのが三月初めであり,試験日となる七月末まで五か月を切っていた。
まずは,出題範囲を把握する必要があったので次の教材を揃えた。
e-den エネルギー管理士 DVD (講師:不動 弘幸 先生)
エネルギー管理士試験(電気分野)徹底研究 (著者:不動 弘幸 先生)
よく勉強した分野と試験対策について
勉強期間が限られていたことから,エネルギー管理士特有の分野であり,かつ過去問の頻出箇所を中心に勉強した。
エネルギー管理士試験は電験三種に比べ,問題数が多いという特徴があるものの,
全体的に素直な問題が多く,選択問題も選択肢に悩ませるものがあまりないことから,
普段から電気に関する業務に関わっていれば,何となく解ける問題がそれなりに存在するように思える。
(電験三種の方が本質的な理解や正確な理解が求められるように思える)
何年分かの過去問に取り組むと頻繁に出題されるテーマが分かってくる。
それを課目毎に纏めると以下の通りとなるのだが,特に赤字のテーマについては完璧を目指して学習に取り組むと,全課目一発合格に近づくと思う。
課目I. エネルギー総合管理及び法規
-過去問で頻出となる法規の条文の暗記 (参考書及び過去問を中心に学習)
-エネルギー使用量の原油換算の計算 (参考書及び過去問を中心に学習)
-熱流計算などの一問一答 問3 (過去問を中心に学習)
赤字箇所は毎年同じような問題が出題されているので過去問を中心に学習し,過去問解説のみで理解できなかった箇所は参考書でも学習するようにしたい。
問3では熱流計算や比エンタルピーなど,電験では扱わないジャンルが出題されるが決して難易度は高くないので解けるようにすべきである。
課目II. 電気の基礎
-自動制御 (参考書を中心に学習)
電験三種の知識があれば,ある程度の点数は取得できると考える。
自動制御は頻出テーマなので,ある程度解けるようにしておいた方がよい。
課目III 電気設備及び機器
課目IV. 電力応用
-(必須問題)電動力応用 (参考書を中心に学習)
-(選択問題)電気加熱 (参考書を中心に学習)
-(選択問題)電気化学 (参考書を中心に学習)
電力応用は四つの課目の中で一番難易度が高いと感じたため,筆者も四つの課目の中で一番ウェイトを置いて学習した。
なお,選択問題は電気加熱と電気化学とすることを学習時から既に決めており,これが合格した大きな要因であったと振り返る。(照明と空気調和は一切学習しなかった)
エネルギー管理士試験は電験と同様,4課目受験であれば朝から夕方まで拘束される。(朝9:00から夕方17:40まで)
筆者が受験した際は電力応用が3番目の課目であった。
後半戦の試験では否応なしに疲労が蓄積してくるため,なるべく脳に負担をかけず,効率よく問題を解いていくためにも,暗記テーマは確実に得点源にしていきたい。
正に電力応用の中では,電気化学がそれに該当した。
実際に筆者が受験した回では,電動力応用の大問の一つに難問があり,大きな失点に繋がってしまったが,電気化学を9割以上正答することで挽回し,合格点に到達することが出来た。
疲労が蓄積した中で電動力応用の難問に挑むのはかなり大変であるので,是非とも筆者の対策を参考にしていただければと思う。
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